高価な製品を買った途端、一瞬だけ後悔の念にかられたことはありませんか
本当にこれを買ってよかったのか?そもそも必要だったのか?
しばらく思い悩んだ後、適当な理由をひねりだし、自分に言い聞かせたのではないでしょうか。
「まあいいか、最近は自分のものを買ってなかったし。それに、買っておけば〇〇な時に使えそうだ」
それって、「認知的不協和」かもしれません。

「認知的不協和」って何?

「認知的不協和」という仮説は、50年代に心理学者のレオン・フェスティンガーが提唱しました。
人は、自分の考えと行動が一致している状況を好みます。そのような状況が崩れたとき、人は不快感を覚えます。
これが認知的不協和です。
そして、認知的不協和を感じた人は、考えか行動のどちらかを変えることで一致した状態を取り戻そうとします。
平たく言うと、人は、「自分の行動は間違っていない」と思いたがり、その思いが行動につながるのです。
この効果は、消費者の心理にも大きな影響を与えます。
例えば、消費者が全く同じ製品を購入したとしても、無料より有料の方が「良いものだ」と感じやすいです。
下手な買い物をしたと感じると認知的不協和が増してしまいます。
それを避けるため、「自分の行動は間違っていない。それだけの価値があるから金を払ったんだ」と正当化することで、その状況を解消しようとするのです。

ECサイトに活かすには?

認知的不協和は多くの場面で人の行動や考えに関わってきます。
もちろん、ECサイトにおいても例外ではありません。
消費者の心理を知ることで、売り上げアップにつなげることだって可能です。
では、消費者心理をどうやってECサイトに活かしていくのか。その具体例を見ていきましょう。

購入直後にレビューを投稿してもらう

消費者にとって、「自分がいかに良い買い物をしたか」と人に話すことは、認知的不協和を減らす格好の手段です。
つまり、購入直後にレビューやSNSに投稿してもらうと、より好意的な評価やコメントを得られる可能性が高まります。

購入後にメッセージを伝える

消費者をリピーターとするには、そのECサイトで「いい買い物をした」と感じてもらうことが肝心です。
そこで、購入後に認知的不協和が生じる可能性を減らすため、その商品を購入したことがどれほど良かったかを伝えるメッセージを送りましょう。
その場合は、他人がその商品をどれだけ評価しているか。それを知ってもらうことが大切です。第三者の言葉や評価をメッセージに添えておきましょう。
もちろん、購入直後に送信するとより効果的です。

問題を自覚させる

購入後の反応だけでなく、購入決定前のプロセスにも認知的不協和が関わってきます。
例えば、消費者の中に2つの相反する考えがあるとします。
1.「私は外見に気を配る人間だ」
2.「最近体重が増えてきたと思う」
この矛盾した考えによって、消費者の心に葛藤=認知的不協和が生まれます。
そのタイミングで解決策(ダイエットサプリやジムの会員権)を提示されると、消費者は葛藤を解消しようとして行動を起こします。
つまり、製品・サービスの購入です。
消費者に行動を促す際は、まず「考えと行動が一致していない」という自覚を持たせ、認知的不協和を誘発しましょう。
認知的不協和が生まれたところで「その状態を解消するもの」として製品・サービスを提示すれば、コンバージョンに繋がる可能性も高まります。

問題に気が付いていない時は

もちろん、消費者が「問題だと気が付いていない」ことも多々あります。その場合に効果を発揮するのが広告やマーケティングです。
例としてフェアトレードの事例を見てみましょう。
私たちが普段から口にしているコーヒーやチョコレート。それらを安く提供するために、生産者の生活が脅かされるといった事態が起きています。
その事態を周知することで、「普段購入しているものが生産者を苦しめているなんて知らなかった」と思わせる。そして、それに気まずさや憤りを感じている消費者を対象に、解決策としてフェアトレードを提示し購買につなげる。このように、マーケティングによって「消費者が自覚していない問題を際立たせる」ことは、消費者に行動を起こしてもらう上で有効な手法です。

まとめ

ここで書いてきた内容は、人によっては自然に実践できていることかもしれません。
しかし、どのように消費者の心が動いているかを理解できれば、より効果の上がる施策が可能です。「消費者がどのように考えているのか、感じているのか」といった目線を常に忘れず、売り上げアップにつなげていきましょう。

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