マーケティングやEC運営においてのベネフィットの役割をご存知ですか?

言葉は知っていても、メリットと混同していたり、上手く活用できずにいる…なんてこともあると思います。
今回は、ベネフィットの基礎的なことから、マーケティングやEC運営での活用方法について紹介していきます。
この記事を読みベネフィットを理解したあなたは、明日から“売るスキル”が身に付いているはずです。

 

ベネフィットとは?

元々ベネフィット(benefit)は恩恵、利点などの意味を指します。

そしてこのベネフィットはビジネスやマーケティング活動において「商品やサービスから得られるプラス面の価値、効果」という意味を表します。

ベネフィットを正しく伝えることで、ユーザーの購買心理に大きな影響を与えますが、誤った認識でいると商品の魅力は思うように伝わりません。特にユーザーに直接声を届けることができないECでは必ず押さえたいポイントです。

 

ベネフィットとメリットの違い

ベネフィットと混同しやすい言葉として「メリット」があります。メリットにも「価値」や「利点」といった意味を持ち、どちらも同じように捉えてしまいがちですが、実は細かい部分が異なっています。意味を並べると下記のようになります。

 

ベネフィット=商品やサービスから得られるプラス面の価値、効果
メリット=商品、サービスが持つ価値や特徴

 

例えば自社ECでニキビケアに特化した新しいスキンケア商品を発売したとしましょう。

「ニキビを抑える成分配合!」というメリットを謳ったコピーと、「ニキビに悩まない、自分らしい素肌に!」とベネフィットを謳ったコピーの2つがあった場合、どちらがより魅力的な商品に見えるでしょうか?

マーケティングやECで運営を行う上でメリットだけで訴求してしまうと、表面的な反応しか得られないことがあります。そのため「この商品を使ったら」、「このサービスを利用したら」、”どんな良いことが待っているのか”を考えることが大切です。

 

ベネフィット メリット
意味 商品やサービスから得られるプラス面の価値、効果 商品やサービスが持つ特徴
オフィス用チェア 快適な座り心地で仕事が捗る 腰が痛くならない柔らかいクッション
減塩醤油 高血圧のリスクが抑えられる 塩分50%カット
デュフューザー リラックス効果を得ることができる 置くだけで香りが広がる

 

心を動かす3つのベネフィット

マーケティング理論家である、デイヴィッド・A・アーカー氏によるとベネフィットは下記3つに分類されるといいます。

 

情緒的ベネフィット

「情緒的ベネフィット」とは商品を使うことで、消費者が得られるプラスの感情を指します。

 

下記3商品を例にして情緒的ベネフィットを挙げてみます。

【新技術の圧力鍋】

・美味しい料理を作って喜んでもらえる

【オーダーメイドの革靴】

・毎日仕事に行くのが楽しくなる

【最新ゲーム】

・ネットを通じて友だちと遊べるため、毎日が充実する

 

機能的ベネフィット

「機能的ベネフィット」とは商品そのものが持つ機能に着目したベネフィットとのことです。メリットに近しい意味合いとなります。

 

【新技術の圧力鍋】

・ボタンひとつ押すだけでカレーが作れる

【オーダーメイドの革靴】

・サイズがぴったりで疲れにくい

【最新ゲーム】

・携帯性に優れて外でも遊べる

 

自己表現ベネフィット

「自己表現ベネフィット」は情緒的ベネフィットに含まれることがあり、類似した意味になりますが、自分の価値を高めたり、自分らしさという部分にフォーカスされています。先述の「ニキビに悩まない、自分らしい素肌に!」は将来の姿を描いているため、自己表現ベネフィットへ分類されることになります。

 

【新技術の圧力鍋】

・短縮した時間を有効活用できる

【オーダーメイドの革靴】

・できるビジネスマンとして周囲に一目おかれる

【最新ゲーム】

・持っているだけで自慢ができる

 

情緒的ベネフィット 機能的ベネフィット 自己表現ベネフィット
商品を使うことで、消費が得られるプラスの感情 商品そのものが持つ機能による利益 商品により、自己価値や自分らしさを磨く自己表現の形
楽しい・面白い・喜ぶ・充実する 簡単になる・疲れない・軽い・早い 自分らしい・憧れ・一目おかれる

 

EC運営に必要不可欠なベネフィット

これまで紹介したベネフィットはEC運営には欠かせない要素です。

自社ECで商品を売るときにメリットだけでなく、ベネフィットを意識した訴求を行っていきましょう。

 

実は私たちは日常的な会話でベネフィットを自然と耳にしていることが多いです。

例えばアパレルショップに行って「アイロンが不必要な素材なので、忙しい人に最適です」「これ着ていたら、周りから一目おかれますよ」など言われたことがある方もいると思います。

またはデパートの化粧品売場で、「この商品を使えば、朝のメイク時間を10分短縮できます」と勧められることもあるかもしれません。

少しオーバーに聞こえるかもしれませんが、それが消費者の心を揺さぶる“ベネフィット“になります。

 

しかし、EC運営ではお客様に直接声をかけることはできません。

ECではよく、商品特徴だけがつらつらと並べられた、誰に向けたものか不明な商品が多数存在しています(実は相当な魅力があるのにも関わらず)。

「〇〇個入り!」、「翌日配送!」それはたしかに嬉しいことです。ですが「〇〇個入だから家族全員で楽しめます!」、「翌日配送だから、明日からすぐ使えます!」とユーザーにとってのベネフィットを述べたほうが、何倍も商品が魅力的に見えますよね。ECならではのベネフィットを述べることができるのも大きな強みです。

 

ECではペルソナ設計が大事

ECはデータとしての情報でしかお客様を見ることができません。そのため、どんなお客様がPCやスマートフォンを通じてアクセスしてくるのかを具体的に想像しなければなりません。「=商品やサービスを利用するターゲットでしょ」と思われるかもしれませんが、ECではさらに深掘りして、お客様のペルソナ像を設計する必要があります。

ニキビが治る医薬品が、思春期の学生をターゲットにしているなら、年齢や性別、性格、趣味、悩み、家族構成、習慣、利用SNSなど細かく顧客像を作り上げEC運営に落とし込みましょう。一人に向けた魅力的なキャッチコピーやコンテンツが、実は多くの方からの共感を呼ぶ結果となります。

 

ECならではの伝え方を考える

実店舗ではなくECだからこそできるベネフィットの伝え方もあります。例えば近年主流になりつつある「ライブショッピング」を行えば画面越しでも直接ベネフィットを伝えることが可能です。商品特徴と合わせて伝えることで相乗効果を期待できます。

また商品ページにアクセスが集まっているなら、メインビジュアルをページ上部に掲げ、LPのようなページ構成にするとより転換率が高まるかもしれません。

伝え方は商品やペルソナによって幾通りも存在します。“なんとなく”ではなく、根拠を持った伝え方を意識していくとEC運営がより捗ることでしょう。

 

ベネフィットをEC運営で活用しよう

メリットとベネフィットの違いからマーケティングやEC運営での活用法までを紹介しましたが、いかがでしたか?
日頃自分が何に心を揺さぶられるのか、何を決め手に商品を購入したのか。意外と見過ごしてしまうことに意識を向けてみると新しい発見があるかもしれません。
商品やサービスは作るだけでは売れません。特に商品を画面越しでしか見ることができないECでは尚更です。
ECでの売上げアップを図るため、ベネフィットを意識した言葉でより魅力あふれる商品にしましょう。

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