最近、ECサイトのリニューアルのお仕事が増えてまいりました。
理由としましては、

  • ⓵「クレジットカード情報の非保持化」

※非保持化については、以前コラムでもかきましたので、こちらから内容をご確認ください。

  • ⓶「ECサイトの老朽化」

があります。
今回は、ECサイトの老朽化にともなう、ECサイトのシステムリニューアルについてお話いたします。

ECサイトの老朽化

以前ECサイト構築の基本というコラムを書きました。
そのコラムでご紹介した、ECサイトの構築法は、

  • 構築方法1: オープンソース
  • 構築方法2: ASP(Application Service Provider)
  • 構築方法3: パッケージ
  • 構築方法4: フルスクラッチ

等があります。
各方法のメリット・デメリットを交えつつご紹介しましたが、
最近は、パッケージシステムを導入されたECサイトからのご相談が多くきております。
以前のコラムでご紹介しましたが、改めてパッケージシステムの持つデメリットについてご説明します。

パッケージシステムの導入のデメリット1:自動バージョンアップしない

クレジットカード情報の非保持化という新しいルールに対し、
カード情報送信の際に厳重な秘密保持機能が必要であると明示されています。
この基準を満たす為には、かなり大掛かりな改修が必要になります。

ECサイトを運用する上で必要な、沢山の機能が詰まったパッケージシステムは、
導入するだけですぐ運用を開始できるので大変便利でありますが、
大きなシステム変更に素早く対応することができません。
新ルールの施行を例にしましたが、新ルールのことがなくとも、
システムはバージョンアップしない限り老朽化が進んでいきます。
この点を導入時によく理解しておく必要があります。

パッケージシステムのデメリット2:バージョンアップの際に費用がかかる

パッケージシステムはバージョンアップができない訳ではありません。
しかしバージョンアップのためには、時間と費用がかかります。
この費用が高額な場合が多いので、デメリットとして挙げておきます。

特にクレジットカード情報の非保持化対応では、世界基準のセキュリティ方式を導入する必要があり、
おおよそ初期費用【最低1,000万円以上】、月額【最低100万円以上】かかると言われています。

時代とともにECサイト構築に必須な要件が増えていきますが、それに対応できず老朽化が進み、
システムを変更せざるを得ない状況が生まれています。

ECサイトのシステムリニューアル

システムのリニューアルを決断をしたら、まず最初に確認すべき項目があります。


①現状把握
システムを変更することで、作業効率が悪くなってしまっては本末転倒です。
現行システムで行っている運用の流れを見直します。
同じ運用ができるシステムや、より快適な運用ができるシステムを探す為にも、
しっかりと現状把握をします。
これを元にシステムの要件定義を作成していきましょう。

②現行のシステムで抱えている課題
現行システムの見直しができると、自然と抱えている「課題」も見えてくると思います。
先を考え「どう変わっていきたいか」を具体的にします。

まずは妥協せずに、とにかくまとめることです。
システム開発をせずとも、運用で賄える範囲もあるかもしれませんが、
まずは具体的な目標を定めていくことが大事です。

③新システムの選定
目標の環境に近いものを探していきます。
使うシステムによって、予算とスケジュールが決まります。
特に今は、スマホで買い物をする人が多いので、スマホでの販売環境などを意識して
システム選定する方が良いでしょう。
新システムへの、データ移行方法、物流や他システムとの連携など、多角的な視点でも選定しましょう。

この選定作業が実は重要で、難しい作業になります。
ついついデータ移行の実作業に目が行きがちですが、そもそもの「選定ミス」がある可能性があります。
自社にあったものを選びきれていないことが多いのです。
費用やスケジュールも大事ですが、最初かかげた「目標」のサイトの状態に近づけるための選定をしましょう。
コンペを開催して安心せず、専門家の力を借りましょう。
冷静な第三者の目とともに、選定・移行を進めていきます。

目標が固まったら、リニューアル手順の確認です。

ECシステムのリニューアル手順

・新システムの決定と申込

・新システムに合わせたサイトのデザインの決定

・顧客情報や、商品情報などのデータ移行

・各種システムの設定

・点検

おおまかに5ステップあります。
データ移行をシステム業者が行ってくれるところもあるとは思いますが、移行の実作業がお任せだから安心!という
観点だけでは、実運用を開始した時に困ったことが起こる場合もあります。
専門知識や事前知識があると、未来に起こりえる困った個所を見越して導入前に具体的な運用方法やオプションカスタマイズが相談できるようになります。

スムーズなデータ移行も大切ですが、運用を1番に意識してステップを進めていきましょう。

まとめ

ネットショッピングの業界は目まぐるしく変わっており、ECのシステムもこれに対応していかねばなりません。
ASP以外のECシステムの場合は、3年~5年がリニューアルの目安と言われています。この期間を『短い!』と思う人もいるかと思いますが「システムは導入直後から古くなっている」位の感覚でいるべきです。
ただ最近では、つねに新しいシステムが提供されるクラウドタイプのシステムも増えてきています。

ECサイトリニューアルはとても繊細な作業で、頻繁に行う会社は少ないです。
だからこそ、課題の洗い出しと目標のサイトを明確にした上でのシステム選定が重要になります。
クラウドシステムだから安心という訳でもありませんし、クラウドタイプのシステムも種類があります。

EC担当者様の多くは、今この瞬間の悩みだけでシステムを選んでしまいがちですが、
導入コンサルをうまく使い、5年先の運用を見越して未来の運用が困らないシステムを選びましょう。

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