ECサイトを構築や制作、運用をするにあたり、大まかな作業のイメージだけで半ば行き当たりばったりでプロジェクトを進めることは大変危険です。ただ単にECサイトを構築・制作するのではなく、やるからには”売れる”ECサイトを構築・制作する必要があります。
ECサイトを立ち上げる時には、多くのことを決めなければなりません。
販売する商材によって、30代以上の男性や20代〜30代の女性などターゲットユーザーは異なってくるため、そのターゲットに合ったECサイトデザインを決めることはもちろん、ユーザー視点に立った使い勝手の良いデザインや機能を組み込むことも考える必要があります。
そして、サイト制作後には運用をしていかなければなりませんが、「運用」と一言で言っても、やるべきことは多岐に渡ります。そのために1つのプロジェクトごとに、タスクを洗い出し、細分化して「何をすべきなのか」を明確にすることが重要になります。今回は、そのタスクの洗い出しからスケジューリングまでができるWBS(作業分解構造図)について、なぜWBSを作成した方がいいのか、メリットを交えて説明します。

WBSとは何か?

WBS(作業分解構造図)は、Work Breakdown Structureの略で、Work(作業)をBreakdown(分解)したStructure(構造図)です。
つまりは、作業を洗い出してさらに細かく分解し可視化することです。
分かりやすく例えると、料理のレシピのようなもの。必要な材料と調理工程をしっかり把握した上で取り掛からなければ料理初心者であればあるほど、上手く作ることができないのと一緒です。
 
WBSには作業の担当者や工数(その作業にどのくらいの時間がかかるか)も加えますので、WBSを作成することで、ECサイト制作会社、ECサイト運用担当者などのプロジェクトに携わる全ての人と共通認識を持ち、自担当と他担当を把握しながらプロジェクトを進めることができます。WBSは【プロジェクト成功のカギ】と言っても過言ではないでしょう。

WBSの作成手順

まずは、カテゴリごとに必要な作業を洗い出します。
作業を洗い出した後は、作業内容を細分化していきます。WBSは階層構造で作る必要があるため、トップダウン式で作業を細分化し並べてください。
そして、細分化された作業ごとに担当者、工数、開始日、終了日を記入します。開始日、終了日を入れることでスケジュールが組め、作業計画がより視覚的になるガントチャートとなります。ガントチャートについてはまた別の記事で説明することにします。

WBSを作成した方が良い4つのメリット

1.作業(タスク)の明確化
 WBSは階層構造で作られトップダウン式にタスクを洗い出すため、やるべき事が頭の中で整理され、タスクの抜け漏れを抑えることができます。
誰がどのタスクを行うのか、aのタスクを優先的に行わないとbのタスクを進めることができないなど、担当者やタスクの優先度合いも明確になります。
 
2.スケジュールを組める
 作成手順の中でも記述したように、開始日と終了日を明記することで、自然とタスクをガントチャート化することができます。納期は決まっているわけですから、納期から逆算して全てのタスクに開始日と終了日を記入しましょう。そうすることで、スケジュールに余裕があるのか否かが明確になります。スケジュールに無理が生じた場合は、プロジェクト関係者に共有し、納期の調整やタスクの調整をする必要がでてきます。スケジュールを組むことは非常に重要です。
 
3.役割分担ができる
 タスクを細分化すると誰がどのタスクを担当するのか役割を分担することが可能です。タスクを明確にすることで優先順位も明確になりますが、並行してできるタスクも見えてきます。そのようなタスクは別の担当者と分担させることで効率的にタスクを進めることができます。
 
4.進捗管理ができる
  スケジュール通りに進んでいるか、タスクに遅れが生じていないかを管理することが可能になります。タスクに遅れが生じている場合は、そちらにリソースを割り当てるなど、早期に対応ができるようになります。

WBSのデメリット

ここまで見た人にはわかるかと思いますが、WBSのデメリットはないに等しいです。
強いて挙げるとするならば、「締め切り直前にならないと着手されない」ことが懸念点として挙げれます。これは心理学的に「学生症候群/学生シンドローム」と呼ばれ、「まだ間に合うだろうと」時間に余裕があればあるほど着手が遅れてしまう心理的行動特性のことです。「夏休みの宿題をギリギリまで放置してしまう」ということと同じ心理です。

ですので、プロジェクトリーダーなど上に立つ人が、音頭をとって進捗をしっかり管理していくことが重要になってきます。

まとめ

WBSを作成することはプロジェクトを成功させるカギとなります。
複雑なプロジェクトであればあるほど、きちんとWBSを作成をしましょう。
また、WBSを作成すると「ここの作業は自社で対応できないから、アウトソースが必要だ」などと言ったことも見えてきます。
そして、このWBSのやり方が染みつけば、プロジェクトだけでなく、自身の普段の仕事の効率化にも役立ちます!

ベイクロスマーケティングではECサイトの構築や制作や運用サポート(運用代行)も行なっております。WBSを作成してアウトソースが必要な部分が分かったのでアウトソース先を見つけたい、ECサイトの運用に必要な具体的なタスクがそもそも洗い出せない、システムを導入したいけどツールの選定が難しいなど、お困りのことがあればお気軽にご相談ください。

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