2022年4月に施行された個人情報保護法の改正にともない、すでに個人情報に関する規定変更を完了している企業がある一方、そもそも対応が必要であることも知らず、放ったらかしの企業もあるのではないでしょうか。そこで今回は、対応が必要であるプライバシーポリシーにおいて、企業が見直すべきポイントをご紹介します。

プライバシーポリシーとは?

プライバシーポリシーとは、個人情報についてその情報収集や活用、管理、保護などに関する取り扱い方針を明文化したものです。法律による作成の義務はありませんが、企業の透明性を高めるため、多くの企業で自主的に作成されています。今回の改正法では、これまで曖昧だった部分の明確化と、より具体的な事例が求められており、多くの企業がプライバシーポリシーを改訂する必要に迫られています。
この機会に、自社のプライバシーポリシーを今一度見直していきましょう。

見直すべきポイント5つ

1. 利用目的の明確化

 

個人情報を取り扱うにあたって、”本人が、自らの個人情報がどのように取り扱われることとなるか、利用目的から合理的に予測・想定できる”ように、できる限り利用目的を特定するようにする必要があります。

<具体的に利用目的を特定している事例>
・○○事業における商品の発送、関連するアフターサービス、新商品・サービスに関する情報のお知らせのために利用いたします。

<具体的に利用目的を特定していない事例>
・事業活動に用いるため
・マーケティング活動に用いるため

<本人から得た情報から、行動・関心等の情報を分析する場合に具体的に利用目的を特定している事例>

・取得した閲覧履歴や購買履歴等の情報を分析して、趣味・嗜好に応じた新商品・サービスに関する広告のために利用いたします。
・取得した行動履歴等の情報を分析し、信用スコアを算出した上で、当該スコアを第三者へ提供いたします。

2. 保有個人データの公表事項の追加

 

改正法で追加となった点は以下の通りです。

・個人情報取扱事業者の住所
・個人情報取扱事業者である法人の代表の氏名
・保有個人データの安全管理のために講じられた措置

「保有個人データの安全管理のために講じられた措置」について、個人データの安全管理措置を講じる義務は以前からありましたが、その安全管理措置の公表等が追加となりました。安全措置の具体的な内容について本人が知り得る状況にしておく必要があるため、その旨をプライバシーポリシーに記しておかねばなりません。

3. 共同利用がある場合の通知事項の追加

 

ビックデータの活用が進むなかで、自社で収集した個人データを他社へ提供するケースは多々あります。本人の同意を得ずに第三者提供ができることを指します。ただし、共同利用の際には、本人が一定の情報を知り得る状態にしておく必要があります。この一定の情報に、プライバシーポリシーで個人情報管理責任者の住所と代表者名が追加して明記される必要が生じました。

●「共同利用」を行う場合に記載する事項

①共同利用をする旨
②共同して利用される個人データの項目
③共同して利用する者の範囲
④利用する者の利用目的
⑤当該個人データの管理について責任を有する者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名

4. 個人関連情報規制を受けるケースでの同意取得

 

改正法では、Cookie等の識別子に紐付けられた閲覧履歴やアプリ上での行動履歴、趣味嗜好などのデータが個人関連情報として新たに定義付けされました。しかし、個人データを第三者へ提供する度に通知を行うのは困難なため「本人が予測できる範囲において包括的に同意を取得することも可能である」とガイドライン内で記されています。

例として、「自社のシステム内でcookieを利用して個人情報に紐づくアクセス履歴を取得している場合」には“通知公表(プライバシーマーク取得の場合は同意)”が必要になりますのでプライバシーポリシーへの反映を検討しましょう。

5. 個人保有データの取り扱いに関する請求対応の義務化

 

改正法では開示請求における本人の利用権が拡大され、さらに、本人が事業者に対し開示・訂正等・使用停止を請求することができるようにもなりました。プライバシーポリシーに記載しておくことも重要な作業ですが、同時に顧客データのより一層の厳密な管理も行う必要があるでしょう。

【記述例】
当社は、個人情報の照会・訂正・使用停止・消去等のご要望があったときは、所定の手続でご本人様であることを確認のうえ、すみやかに対応します。

プライバシーポリシー改訂後の対応も重要

 

以上のように、改正法の施行を機に個人の請求権が強化されるため、以前と比べて本人からの開示・請求の頻度が上がることが予想されます。ここでプライバシーポリシーの改訂という単なる事務作業で終わることなく、その後の具体的な対応についても企業内で明確にしておきましょう。必要に応じ、社内規程の改訂を行うケースもあるでしょう。また、従業員への周知徹底も同じく必要な行動です。

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