初回購入は獲得できているのに、リピーターが増えない——。
LINEやステップメールも配信しているのに、思ったような効果が出ていない——。
ECサイトでサプリメントや化粧品を販売している事業者にとって、よくある悩みではないでしょうか。
でも、ちょっと立ち止まって考えてみてください。
それって、「ただLINEやステップメールを送っているだけ」になっていませんか?
メーカー目線の一方的なアプローチになっていませんか?
その情報は、本当にユーザーが求めている内容ですか?
リピーターが増えない最大の原因は、「商品で幸せになってもらうための行動」を、購入者に実践してもらえていないことにあります。
例えばサプリメントなら毎日続けて飲んでもらう、化粧品なら遠慮せずに規定量を使ってもらうなど、“効果を実感するための行動”があって、はじめて商品は本来の価値を発揮します。
そして、効果を感じることができて、ようやく「また使いたい」と思ってもらえるのです。
つまり、リピーターを育てるために必要なのは、単なる接触回数や配信頻度ではなく、「顧客の行動を変えるための接点」をつくること。
ステップメールやLINEは、ただ届けるための手段ではありません。
顧客が商品を正しく使い、効果を実感し、暮らしが前向きに変わっていく未来を想像できるよう、行動を支援する導線として活用すべきなのです。
メーカーの本当の役割は、「リピートしてもらうこと」ではなく、その商品を通じて、顧客が幸せになることをサポートすることにあります。
その視点でリピーター施策の目的を見直すことが、成果を変える第一歩です。
本記事では、「効果実感 → リピーター」につながるステップメール&LINE戦略を具体的に紹介していきます。
“届ける”だけの販促から、“行動を促す”コミュニケーションへ。
リピーター施策を本質からアップデートしたい方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
なぜリピーターにならずに初回購入で終わってしまうのか
化粧品や健康食品といったリピート前提の商材では、初回購入者の多くが「効果を感じられないまま」離脱しています。
特に「お試しセット」や「初回限定価格」などで購入された場合、顧客はまだ商品やブランドに対して強い信頼を持っていません。
この段階では「一度使ってみて判断しよう」という「お試しモード」にいるため、次に続く理由がなければリピーターにならずに自然とフェードアウトしてしまいます。
以下のような要因が、顧客のリピーターにならない理由として考えられます。
- 商品は届いたが、使用のポイントが伝わらず効果を実感できなかった
- 使い方がわからず、正しい方法で続けてもらえなかった
- 使用を忘れてしまい、継続利用が習慣化されなかった
- 商品のメリットが伝わらず、リピートする価値を感じなかった
- 次の購入タイミングが不明で、そのまま自然消滅した
つまり、「使い方」「続け方」「実感のしかた」が分からなければ、顧客は再購入までたどり着きません。
継続利用の価値を伝え、行動を後押しすることで初めてリピーターに育つのです。
リピート率を変える“継続接点”の考え方
リピーターを増やすうえで、もっとも重要なのは、「商品で成果を出してもらうための行動を、いかに継続させるか」という視点です。
継続接点とは、商品を受け取ったその瞬間から、ユーザーとブランドが関係性を深めるための接触ポイントのこと。
たとえば、サプリメントであれば「飲み忘れ」を防ぎながら毎日飲み続けてもらうこと、
化粧品であれば、遠慮せずに適切な量を使ってもらうことが、効果を実感するためには欠かせません。
加えて、「なぜその成分が必要なのか」「どのような仕組みで効果が出るのか」など、
商品や成分に対する正しい理解を持ってもらうことも、継続利用とリピーター増加の鍵になります。
こうした“正しい理解”と“正しい使い方”をサポートするために、LINEやステップメールなどのチャネルを活用し、効果実感までの行動を後押しする導線を設計していきましょう。
ステップメールの役割
- 購入から数日間にわたり、自動で情報を段階的に配信できる
- 使用方法、効果的な活用法、口コミ紹介などを体系的に伝えられる
- 顧客の行動を前提とした「シナリオ型配信」により、育成と後押しができる
LINEの役割
- ステップメールよりも開封されやすく、即時性が高いためリアルタイムの接触に向いている
- セグメント配信によって、一人ひとりに合った情報提供が可能
- LINEのリッチメニューやチャットボット機能を使えば、双方向のサポートも実現できる
LINEは、ステップメールよりも開封率・即時性に優れており、“いまこの瞬間”に必要な行動を促すタッチポイントとして有効です。
たとえば、「商品が届いたけれどまだ使っていない」というユーザーには、LINEで「今日から始めてみましょう!」と一言届けるだけで行動が変わることもあります。
ステップメールとLINEの両者を活用すれば、正しく使用する → 効果を実感する →リピートしたくなる というユーザーの使用体験に合わせた流れを作り出すことができます。 ステップメールとLINEの運用において大切なのは、“売るための情報”ではなく、“リピーターになる理由を育てる情報”を届ける意識です。
ステップメールは“商品理解を深める”顧客育成ツール
ステップメールは、リピート購入につなげるうえで欠かせない“顧客育成”のためのチャネルです。
ここでいう「育成」とは、ユーザーに対して、その商品を正しく理解し、正しい使い方を継続してもらうこと。
効果を実感するまでのプロセスをサポートし、「自分に合っている」と思ってもらうためのツールです。
効果実感を促すためのステップメール配信例
- サプリメントの効果的な摂取タイミング
- 化粧品の適量や塗る順番
- 健康食品の摂取と生活習慣の組み合わせ
このような知識や行動をステップメールで丁寧に伝えていくことで、初めてユーザーは「その商品で成果を出せる」ようになります。
ただステップメールを送り接触回数を増やすだけでは、リピート購入には繋がりません。
明確な戦略を持って、ステップメールの配信タイミングと配信内容を設計することが重要です。
ステップメールのスケジュール例(初回購入後)
タイミング | メールの内容 |
購入直後 | 「ご購入ありがとうございます」安心感と期待を届ける |
商品到着前 | 「もうすぐ届きます」使い始めのポイントを先出し |
使用開始1〜3日後 | 正しい使い方・実感しやすいコツを動画や図で伝える |
使用開始5〜7日後 | 「効果を感じていますか?」Q&A形式で疑問を先回り |
2週間後 | 他のユーザーの活用例や失敗談をシェアし共感を促す |
3〜4週間後 | 「継続している方が実感しています」再購入の案内 |
ここで重要なのは、メールごとに「ユーザーが今、どんな状況か」を想像し、その行動を一歩先でサポートすること。
そのサポートの結果として、「効果を実感できた」という成功体験が得られれば、自然とリピーターになり定期コースへの移行も生まれていきます。
上記に加えて下記もステップメールに盛り込むことで、リピート購入への最後の一押しとして効果を発揮します。
- 不安の払拭:リピートや定期購入に対するよくある懸念を先回りして解消(解約のしやすさ、返金保証など)
- 行動喚起:キャンペーン案内や割引オファーで、行動へのハードルを下げる
LINEで“タイムリーな行動”を後押しする
ステップメールがユーザーの理解と行動を「計画的に育てるツール」だとすれば、LINEはその場で迷いを解消したり、行動を後押ししたりするための即効性あるサポートツールです。
LINEの最大の強みは、「今、必要な情報を、今、届けられる」こと。
スマホに直接LINE通知が届くため開封率が高く、ユーザーの行動をその瞬間に変えることができます。
たとえばLINEは次のようなシーンで効果を発揮します:
- 商品が届いた日に:「本日商品が届いていますか?最初はこの手順で始めてみましょう」
- 使い忘れを防ぐ:「今日はもう飲みましたか?続けることで、少しずつ変化が見えてきます」
- 効果を感じる前に離脱しそうなときに:「1週間続けた方の多くが、ここから実感しはじめています」
こうしたLINEメッセージによって、ユーザーは「ちゃんとサポートされている」「効果が出るまでもう少し頑張ろう」と前向きに行動を続けることができます。
LINEは「フォロー」「疑問解消」「継続促進」「購入後のアフターケア」など、リピーター施策のあらゆるフェーズで使える柔軟なチャネルです。
特にユーザーが「何をすればいいかわからない」と感じる瞬間にLINE通知でアプローチできる点は、 リピーター育成において非常に有効です。
ステップメール×LINEの連携で行動を“導く”
リピーター施策の効果を最大化するには、ステップメールとLINEを役割分担して連携させることが重要です。
どちらか一方に依存するのではなく、ユーザーの状況や行動に合わせて両者をバランスよく使い分けることで、正しく理解し、正しく使い、実感してもらうための導線をより強固に構築できます。
ステップメールとLINE役割の違いを明確に
チャネル | 主な役割 | 向いている内容 |
ステップメール | 顧客の理解と行動を段階的に育てる | 使用方法・効果の出し方・FAQ・事例紹介など |
LINE | タイムリーなフォローと反応促進 | 使用リマインド・届いた日の声かけ・特典告知など |
ステップメール×LINEの連携シナリオの具体例
以下は、ステップメールとLINEを組み合わせた実践的なシナリオ例です。
ステップメールで伝える → LINEで反応を促す
- ステップメール(商品到着案内):「使い始めのポイント3選をお届けします」
- LINE(当日夜):「もう使い始めましたか?最初は夜のタイミングがおすすめです」
ステップメールで価値を伝える → LINEで背中を押す
- ステップメール(1週間後):「続けている方の80%が実感を感じています」
- LINE(翌日):「今だけ15%OFFのリピートクーポン配布中です」
ステップメールで育成 → LINEで習慣化をサポート
- ステップメール(使い方のコツ):「続けるコツは『ながら習慣』にすることです」
- LINE(毎朝):「今日もお忘れなく!1日1回、飲んでスッキリをキープしましょう」
このように、ストーリー性をもたせた情報発信を行うことで、 ただ「売るためのメッセージ」ではなく、 ユーザーが商品を使い続けたくなる理由を自然に育てていくことができます。
リピーター施策チェックリスト
ステップメールやLINEを使ったリピーター施策を実施していても、「本当に顧客の行動を変えられているか」「商品の価値を実感してもらえているか」を見直さなければ、リピーター育成にはつながりません。
ここでは、ユーザーが商品を正しく使い、効果を実感することで、リピーターになるまでを支援できているかを確認するための、ステップメールとLINEのチェックリストをご紹介します。
ステップメール・LINE共通のチェックポイント
- 初回購入直後に、安心感と使い始めの案内をセットで届けているか
- 商品到着後すぐに、使用方法や効果を実感するまでの流れを明示しているか
- 「継続することで意味がある」と伝え、習慣化するためのコツなどを発信できているか
- 使用途中で離脱しないよう、よくある不安やつまずきを先回りで解消しているか
- リピーターの声や成功体験をシェアし、共感・信頼につなげているか
- 定期購入やリピーター向けオファーは、押しつけでなく、納得感のあるタイミングで出せているか
- 各配信の目的が「売る」ではなく、「使い続けたくなる行動」に繋がる設計となっているか
チャネル別チェック
ステップメール運用
- 内容は「正しい使い方のガイド」として機能しているか
- 配信タイミングは、商品使用の流れに合わせて設計されているか
- 回数を増やすだけでなく、1通ごとに顧客の“次の行動”を促す構成になっているか
LINE運用
- 配信タイミングやテキストメッセージの内容は、顧客の現在の状況とズレていないか(初めて購入したタイミングで初回の使い方案内が適切に行われているかなど。)
- リッチメニューやボタンで、次の行動につなげる導線を用意しているか
- セグメント配信で、「初回」「2回目」「定期中」「休眠」など状況ごとに出し分けできているか
ステップメールとLINEのリピーター施策の効果を上げるためには、「施策をやっている」ことに満足するのではなく、ユーザーが“商品で幸せになるプロセス”を一緒に設計できているかを常に問い直すことが大切です。
リピーター施策改善にむけたPDCA運用
ステップメールやLINEの運用は「作って終わり」ではありません。
本当の目的は、ユーザーが商品を正しく使い、効果を実感することで、再購入したくなる体験を届けること。
そのためには、成果が出るまで何度も改善を繰り返すPDCA運用が欠かせません。
ステップメールやLINEの配信後データをもとに改善点を可視化する
指標 | 課題の可能性 | 改善アクション |
開封率が低い | 興味を引く件名・配信タイミングが不適切 | A/Bテストで最適な件名や時間帯を検証 |
クリック率が低い | 内容が魅力的でない/誘導設計が弱い | コンテンツ構成やCTAボタンを見直す |
CV率が低い | オファーの訴求が響いていない | キャンペーン内容や導線、文言を再設計 |
継続率が低い | 使用方法が伝わっていない/実感できていない | 教育コンテンツの強化・FAQの拡充 |
とくに楽天市場などのECモールでは、レビュー評価や購入履歴データも活用しながら、実態に即した改善が可能です。
自社サイトの場合は、アクセス解析やヒートマップなどを併用することで、より精密なユーザー理解に基づいたPDCAが行えます。
改善すべきは「成果が出ない部分」ではなく「行動が起きない部分」
リピーター育成の本質は、「行動を変えること」。
そのため、「数字が悪い」=「売れていない」ではなく、ステップメールやLINEの設計内容において、ユーザーが次の行動を起こせていないのはどこか?を見極めることが肝心です。
配信ツールを使いっぱなしにせず、毎月一度でも構いませんので、 ステップメールとLINEの内容・配信設計・成果データを振り返る時間を持ちましょう。
ステップメールとLINEは、ただの通知手段ではありません。
ユーザーが商品で幸せになるために、正しい行動をとってもらうための育成ツールです。
「伝えたいこと」ではなく、「ユーザーが知るべきこと、行うべきこと」に焦点を当てて運用することで、 単なる初回購入者が、継続的なファン=リピーターへと成長していきます。
今回の内容を参考に、貴社の商品やターゲットに合わせたリピーター施策を、ぜひ見直してみてください。
Written by
bay_ando
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