ECサイトを運用するにあたり、Web広告でランディングページ(以下、LP)に集客し、商品を販売するパターンが王道です。
巷には様々なECサイト運用ノウハウやリスティング広告の運用ノウハウがありますが、どんな手法を試してもなかなかコンバージョンに結びつかないときもあります。
反応が全くないと、「そもそも、このLPをユーザーは読んでいるのだろうか?」と不安になってしまいますが、
本記事では、「このLPは読まれているのか」にフォーカスし、分析する手法をご紹介します。

ヒートマップツールを導入すれば一目瞭然ですが、ツールを導入しようとすると、年間十数万円のコストがかかりますので、弊社では、無料のGoogleAnalyticsを使ってスクロール率も計測し、分析に使用しています。

GoogleAnalyticsを使ったスクロール分析

GoogleAnalyticsを使って、下記の情報を取得することができます。
※多少複雑な設定が必要です。

任意に計測ポイントを設定し、「そこまでスクロールしたユーザーが何人いるのか」を計測します。
下記のように任意の計測ポイント①②③を設定し、各箇所への到達数を計測できます。

スクロール分析

スクロール率だけでなく、購入ボタンのクリック数やページへの訪問数などのデータと突き合せて、LPの改善ポイントや、流入するユーザーの質などを検証し、運用最適化を目指していきます。

ユーザーの購入フローは下記4ステップです。
(1)LPを閲覧
(2)購入ボタンクリック
(3)購入手続き
(4)購入完了

上記(3)(4)については、これまでも分析できていますが、
スクロール分析では、これまで明らかにできなかった上記(1)(2)にフォーカスして分析していきます。

必ずしも「下部まで到達したユーザー=良質なユーザー」ではない

LPの場合、ページの最下部まで到達したユーザーよりも、購入ボタンをクリックしたユーザーの方が購買意欲が高いと言えます。
ですので、「最下部まで到達したユーザー」という情報だけでは、良質なユーザーかどうかは判断できません。

また、今回はLPを中心に説明していますが、もちろんECサイトのトップページも読了率分析を行うことができます。

ECサイトのTOPページの役割は、LPとは違い、主力商品への導線の強化や商品の探しやすさが求められます。
そのため、あまりスクロールさせずにページ遷移できたほうが、導線設計が上手い、という見方もできます。

スクロール率に固執せず、ページの役割や最終ゴールを念頭に入れて分析することを忘れないでください。

スクロール分析の活用法:ランディングページ編

ページのスクロール率、ボタンのクリック数を数値化することで、様々な仮説と検証を行うことができるようになります。

 

(1)どの部分での離脱が多いか

ランディングページは、売り手が伝えたい情報が集約された、1枚の長いページになっています。
スクロール分析を行うことで、その長いページの「どこで」ユーザーが離脱しているかがわかります。

スクロール分析により離脱ポイントを特定したら、下記2点を視野に入れて仮説を立て検証しましょう。

・ユーザーの求める情報が揃っているか
・離脱する前に一番伝えたい情報を設置するなど、LPの構成を変更できないか

ただし、前述の通り、スクロール率だけに固執せず、カート遷移の割合も把握する必要があります。

(2)購入ボタンの「純粋な」クリック率を計測できる

どこまで、何人のユーザーがスクロールしたのかがわかるので、購入ボタンの表示回数も取得できます。

広告運用の考え方に似ていますが、購入ボタンの表示回数・クリック数から、ボタンのクリック率を算出し、クリエイティブの評価をすることができます。

クリック率が悪い場合には、下記の可能性を視野に入れながら仮説を立て、検証していきましょう。

・購入ボタンの視認性が悪い
・購入するための情報提供が十分でない
・購入ボタンの位置が不適切

スクロール分析の活用法:Web広告編

一般的に、Web広告を使ってLPに集客した場合、直帰率は80~90%になってしまいます。
「直帰=何もしないで離脱した」わけですが、LPの場合は、最下部までしっかり読んで離脱しても「直帰」となりますし、スクロールもせずにすぐに離脱した場合も「直帰」となります。

スクロール分析によって、この2者を分けて対策を立てることができます。

例えば、「最下部までしっかり読んで離脱した人」の流入は、興味のあるユーザーを集客できていますので、広告の運用としては問題ないと考えることができます。

一方、「一切スクロールをせずに離脱した人」の流入は、全く興味がないユーザー―を集客していますので、広告の運用として問題あり、と判断できます。

購入ボタンのクリック率も同様です。

これらの情報を活用し、広告配信の最適化を図ることができます。

(1)チャネル別、参照元/メディア別のスクロール分析

参照元/メディア別のスクロール分析ができれば、どの広告の集客方法に問題があるのか、一目でわかります。

例えば、下記①までスクロールするユーザー比率が低い場合、ファーストビューで離脱していますので、広告の訴求とLPの訴求(特にファーストビューでの訴求)にミスマッチが生じている可能性が高いです。

スクロール分析

また、スクロール率が高いがCVに至らない場合は、広告側の問題ではなく、LPの問題として焦点を絞って取り組むことができます。

補足

一般的に、リスティング広告からの流入ユーザーはスクロール率が高くなりますが、リマーケティング広告やFacebook広告などのディスプレイ広告では、スクロール率が低くなる傾向にあります。

リスティング広告では、自ら検索し答えを探している能動的なユーザーが集客できるのに対し、ディスプレイ広告は、バナーが表示され興味があればクリックするような受動的なユーザーとなるため、このような差が生じます。

(2)広告グループ別のスクロール分析

GoogleAdwordsに関しては、GoogleAnalyticsと連携することで広告グループのデータも取得できますので、詳細に分析する場合には、広告グループ単位で見るのも良いかもしれません。

入稿キーワード・広告文とLPの内容にミスマッチがないか、分析することができます。

(3)リマーケティングへの活用

リマーケテイングのリストを、「LPの訪問ユーザー(CVユーザー除く)」という大きな括りで作成されている方が多いと思います。しかし、ここまで読んでいただいた方は、「スクロールもせずに直帰したユーザーには二度と広告をクリックしてほしくない」と思うのではないでしょうか?

今回ご紹介したスクロール分析のタグを仕込むことで、「スクロールして読み進んだ人だけ」のリマーケテイングリストを作成することができます。
より見込み度合いの高いリストを作成し、運用の効率化を図りましょう。

最後に

広告の運用において、単純にCTR、CVR、CPAを見てPDCAを回せればよいのですが、
思うようにCV数の母数が集まらないと、うまくPDCAを回すことができません。

そんなときのために、もう1歩踏み込んだ分析方法をご紹介しました。

タグの設置方法に関してはマニアックなので割愛させていただきましたが、
分析手法の一つのご提案として、お役に立てますと幸いです。

弊社では分析・改善提案・制作・プロモーションまでをトータルサポートしておりますが、
分析と改善提案だけなど、柔軟にサービスメニューをご提供できますので、
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