決断するまでの時間はどうやって決まる?

「今日の昼に何を食べようか」と考える場合と、「新しい車を買おうか」と考える場合を思い浮かべてみてください。多くの方は、前者の方が決断しやすいと感じるのではないでしょうか。
しかし実際は、決定事項の大小よりも、さらに大きな要因があると言われています。
それは、「最良の決断を下せる」と自信を持てるかどうかです。

「決断を下す」際の脳の働き

人が何かを決断しようかと考えている時に、脳の神経ネットワークはどのように働いているのでしょうか。
その決定の長所と短所を評価するのはもちろんですが、それ以外にも、「決定を下す際に、どれだけの準備ができているのか」、「その決定が最善だとどれだけ自信を持てるのか」。そのようなことを同時に分析していると考えられています。
つまり、「確信」や「自信」の程度が大きければ大きいほど、決断を下すことが簡単になってきます。
そして、確信を持てるかどうかの判断には、以下の2つが関わってきます。
1 情報量
過去に似たような決断を下しているほど、あるいは集めた情報量が多いほど、「確信」や「自信」は大きくなってきます。
その場合、有利な情報だけでなく不利な情報も多く集めていることが肝心です。
2 経過時間
時間が経過し、それでもなお決定がなされない場合、脳は「これは難しい問題に違いない」と感じます。
さらに悪いことに、脳は「難しい問題」に尻込みし、決定に対する自信がどんどん減ってしまいます。
つまり、時間がかかるほど難しい問題だとみなされ、決定に自信がなくなることで余計に時間がかかる。そのような悪循環に陥るのです。
このように、脳は情報量と経過時間によって自信の程度を判定し、それが十分に大きければ決断は簡単になります。
では、大量の情報を与えれば決断は早くなるのでしょうか?確かに情報量は多くなりますが、その情報を処理するために時間が掛かってしまいます。結果としては悪影響にしかなりません。

多くの情報を提示するには

多くの情報を、処理しやすい形で提示する。それが、決断を下してもらうために有効なやり方です。
例えば、情報を小さな一まとまり(チャンク)として見せていきましょう。
一気に情報を見せるのではなく、それらを分類し、少しずつ出していく。そうすれば、多くの情報を短時間で処理することが可能です。
例えば中古車販売のWebサイトの場合、「燃費」、「安全性」、「状態」といった情報を独立したチャンクとして扱い、個別に提示していきます。コンテンツ内に情報を詰め込むことは避けましょう。情報を小さなチャンクに分け、そのうえで大量に提示することで、脳は「多くの情報を集めた」という実感を持ってくれます。それが自信を生み出し、決断へとつながるのです。
Web上で何かを売っていくには、もちろん製品やサービス自体の魅力も大事です。しかし、その情報をいかに整理し、どのように見せていくのか。それも同じく重要です。せっかくの魅力を多くの方に知ってもらうためにも、その「見せ方」を考えていきましょう。

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